若者にも広がる老眼って?毛様体筋と水晶体の関係
最近、特に若い女性の間で目の問題がよく話題になるそうです。
「目がかすむ」「目がぼやけて見える」などの症状がよくあるといいます。
仕事でデスクワーク、特にパソコンでの作業が多い人は目が疲れたり、ブルーライトの影響がとかよく聞きますが最近ではスマホの影響が大きいといいます。
「目がかすむ」「目がぼやけて見える」などは、比較的近い距離のものを長時間見続けた時によくある症状で近くのものが見にくくなる老眼の症状に似ています。
これを「スマホ老眼」と呼び、スマホの使いすぎが大きな原因なのだそうです。
なので年齢を問わず、若い人の間でもでもよくみられる症状なのです。
子どもたちの視力までもが低下傾向に
先日もジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が、学校で保健指導を行っている全国の養護教諭に「子どもたちのコンタクトレンズの使用を含む目の保健を取り巻く環境について」というテーマでアンケートを行ったところ、
6割の養護教諭が「生徒の“スマホ老眼”が増加」と回答したという驚きの結果がでたという記事を見つけました。
しかも昨年と比較すると1年間で10.3%上昇しているそうで、目の健康を取り巻く環境が悪化し、スマホ老眼”が子どもたちにも年々広がっているようなのです。
スマホ老眼は、長時間にわたりスマホを使ったりすることで目の「毛様体筋」という筋肉の働きが低下し、目の水晶体を調節する機能が衰え、ピントが合わなくなるためです。
目の水晶体は、レンズの役割をしており、その厚みを厚くしたり薄くしたりすることで見るもの(被写体)に対して瞬時にピントを合わしています。
この調整を行うのが水晶体を取り囲んでいる毛様体筋という筋肉で、近くを見る時には毛様体筋を緊張させ水晶体を厚くし、遠くを見るときは毛様体筋を弛緩させ水晶体を薄くします。
しかし、スマホ等の近距離での作業が続くと毛様体筋が常に緊張を強いられるため、調節機能が低下してピントが合わなくなるのです。
よって中高年に限らず、若年層でも老眼のような症状がでるのです。通常の老眼は、この毛様体筋の老化によって起こります。
スマホ使用時に守りたい眼の保養対策
しかし、今の時代、ネットやSNSだけでなく、カメラやゲーム、スケジュール帳などスマホやタブレットは生活の一部として欠かせないという人も多いはず。
スマホ老眼を避けるためには、できるだけ目の保養に気を付けなければなりません。
そのためにはどうすればよいのか?
もちろん、スマホの使用時間を短くするのは当然ですが、その他にも効果的な対処方は次の4つを実践すること。
(1)スマホ等の画面の照度を調節する
明るい画面は意外とストレスになるそうです。少し照度を落とすことで目にやさしくなります。
(2)できるだけ離す
近ければ近いほど毛様体筋に負担をかけることになります。
(3)寝る前は使用しない
副交感神経への切り替えがうまくいかなくなり良質な睡眠を妨げるそうです。特に寝る前30分は要注意です。
(4)コンタクトレンズはできるだけ避ける
コンタクトレンズは度が強めのため、近距離では毛様体筋への負担が大きく、メガネを使用するほうが良いそうです。
まぶたが垂れ下がる眼瞼下垂(がんけんかすい)?
スマホやパソコンの長時間の使用は、眼精疲労を起こす大きな要因です。
眼精疲労は頭痛や瞼の痙攣(けいれん)など様々なトラブルの原因になっています。
眼瞼下垂(がんけんかすい)って知っていますか?
あまり聞かない言葉だと思いますが、「眼瞼下垂」とは文字通り、まぶたが垂れ下がる症状。
上まぶたにある上眼瞼挙筋という筋肉が伸びてしい、まぶたが開きにくくなり、時には視界を遮ることもあります。
加齢・老化による筋力の低下で起こるため中高年に多い病気ですが、最近は若い人にも増えているとか。
- 以前より目が小さくなった、
- 目が開きにくい、
- いつも眠たそうと言われる、
- 目を開く時に眉が上がる
- おでこにシワが寄る、
といった症状がある人は、要注意です。
眼瞼下垂になると、まぶたを開くために余計な力が入り、
- 慢性的な肩こりや顎痛
- 頭痛やめまい
- 睡眠障害
- 自律神経失調
など様々な症状を併発させることがあります。
若い人にも見られる眼瞼下垂は、まだ症状が軽いうちに治すのがベストです。
しかし、症状が進み重症化してしまうと手術が必要となります。
目の老化を遅らせるためにも、スマホとの付き合い方
誰でも老化はさけられません。
しかし、防げるものは若いうちから注意してちゃんとケアしていれば老化の進行を遅くしたりするのは可能です。
特に眼精疲労には注意しておきたいものです。スマホを使用するときも、できるだけ長時間の使用をさけ目に十分な休養を与えてあげましょう。
若いうちから老眼とか、眼瞼下垂とかというのは避けたいですからね。