老眼鏡の選び方の基準は、まず度数と軽さが大切です。
あなたの老眼鏡の選び方の基準は何ですか?
もちろん、「度数」は一番大切です。
店頭の在庫品で間違った度数を選んでしまっても後の祭りです。
自分に適した度数はしっかり把握しておきましょう。
度数以外に、老眼鏡の選び方で、重要視することと言えば「軽さ」があります。
特に今までメガネをかけてなくて、老眼のために初めて老眼鏡をかける人にとって、長時間メガネをかけるのには抵抗がありますね。
普段からメガネをかけている人でも、長い時間かけていると耳が痛くなったり、あげくは頭が痛くなったりすることもあります。
ですから、この軽さを重要視する人がとても多く、メガネメーカーも様々な素材で軽い老眼鏡を揃えていて、快適にかけられる老眼鏡がたくさん出そろっています。
老眼鏡の軽さを実現するそのフレームやレンズの素材とは
老眼鏡の軽さはもちろん、メガネの軽さを実現する素材には大きく分けて
○プラスチック系
○メタル系
の2種類があります。
また、メガネのレンズの素材も
○ガラスレンズ
○プラスチックレンズ
とこちらも2種類あります。
プラスチック系は、どちらかというとオフビジネス的な印象で、色や柄などもバリエーションも豊富で、おしゃれに老眼鏡を楽しむのにふさわしいカジュアルなメガネの素材に多く使われています。
それに対してメタル系はその素材感からオンビジネス、オフィシャルでフォーマルな印象を人に与えます。
知性的に見えるのもメタル系で、ガラッとイメージが変わってみえることもよくあります。
レンズ素材の傾向としては、現在では90%以上の人がプラスチック製にしているといわれます。
プラスチック製レンズが軽くて加工しやすい利点があるのに対して、ガラスレンズは、激しい動きなどで割れて眼を負傷する可能性があるため、ひじょうに少なくなってきました。
ただ、ガラスレンズは耐熱効果が高いという利点があるため、工場など熱の高い場所で使用する人にはまだまだ需要があるようです。
プラスチック系素材の主な種類と特徴
TR-90
ナイロン樹脂の一種で、曲げ弾性・バネ性・耐薬品性に優れた軽量素材です。
医療現場で使用されているカテーテルの素材や哺乳瓶などにも採用されており人体に優しい素材です。
水とほぼ同じ密度であるため、非常に軽量であることが特徴です。
アセテート
四半世紀前まではプラスチック素材の主流はセルロイドがほとんどでした。
しかし、燃えやすく危険なので、現在は燃えにくいアセテートが主流となっています。
アセテートは色の種類も豊富で、紫外線による変色がほとんどないという性質もありますが、吸水性があるため、水につけたりすると変色する可能性があります。
ウルテム
ウルテム樹脂は、優れた耐熱性、高い強度と剛性を備えた素材です。
医療器具、航空機部品、幼児の食器などにも使用され、安全性にも優れています。
TR90よりも、さらに高い弾性をもった素材です。
PES
ポリ・エーテル・サルフォン(Poly Ether Sulphone)=PES。耐熱性に優れ、激しい温度変化にも耐えられるため低温から高温帯でも変形しずらい寸法安定性に優れています。
透明樹脂素材なので、高い発色性を持っています。
航空機、医療機器、電子機器分野などにガラスの代替として使用されています。
他にも、ベッコウやセルロイドなどが使われていましたが、ベッコウは1991年6月の日米協定でウミガメの甲羅の全面輸入禁止により使われなくなり、セルロイドもその危険性から今では使用されていません。
メタル系素材の主な種類と特徴
チタン
今やメガネにおいては理想的ともいわれる金属素材です。
その理由は、塩分に対してほとんど錆びることがなく、汗に強いという性質。
また、強度と弾力性にすぐれており、人の身体に合いやすく金属アレルギー対応素材として有効な点が上げられます。
ピュアチタン
プラチナ並みの耐腐食性を持ち、アレルギーフリーという点からも肌に密着するフレームとしては最適です。
鉄よりも約2倍の強度をもち、鉄より約40%軽い。
アルミニウム
メタリックな質感とシャープな雰囲気が持ち味の素材です。風雨にさらされても退色しません。
また、柔らかい素材のため、ある程度厚みを持たせて使われますが、チタンの約65%の軽さであるため重さを気にすることなくかけられます。
NT合金
ニッケルとチタンを1対1で混ぜた合金素材です。
常温下であれば力をかけて曲げてもゴムのように元の形に戻る超弾性の性質があります。
0℃以下では、超弾性は失われますが、形状記憶の特性によって、過熱することで常温での形に戻る便利な機能性があります。
βチタン
ピュアチタンにバナジウム22%、アルミニウム4%を添加したチタン合金素材です。
弾力性に優れ、ピュアチタンに比べて約2倍以上もの引っ張り強度を持つ超弾性材です。
負荷のかかりやすいテンプルなどに使用することでしなやかなかけ心地を実現できます。
他には、ハイニッケル合金やマグネシウムなどがありますが、ハイニッケル合金は金属アレルギーを起こすことがよくあり、現在ではほとんど使われていません。
また、マグネシウムは、アルミニウムの約3分の2という軽さを持ち次世代フレームとして注目を浴びていますが、発火性に課題があり、実用はまだまだ先のようです。
レンズは大手レンズメーカーなら安心できますね!
レンズ素材は、素人がみると全部一緒のように見えます。
それぞれの違いといえば、厚さや色ぐらいしかわかりません。
もちろん、今の日本の店舗で扱われているメガネのレンズには、粗悪品などほとんどありません。
(勉強不足のため100円ショップのものはわかりませんが・・・)
そこで、参考までにレンズメーカーを頭に入れておいても損はありませんね。
- HOYA
- KODAK
- SEIKO
- 東海光学
- 日本レンズ
誰もが一度は聞いたことのある大手メーカーが名を連ねますが、日本レンズは大阪のレンズ専門のメーカーで、その専門性と卓越した技術力に定評のある会社です。
このへんは好みの問題で、それぞれ高い技術力をもった一流会社なので、どのレンズを選んでも間違いはありません。
老眼鏡を軽さで選ぶときのおすすめ素材とは
現在、軽さで老眼鏡を選ぶのに適した素材は、
プラスチック系ならTR-90やアセテート、
メタル系ならチタンやアルミニウム
がおすすめです。
レンズはもちろん、軽くて加工しやすいプラスチック製を選びます。
老眼鏡をおしゃれにかけたい。カジュアルな格好に合う老眼鏡が欲しいなどスタイルにこだわるなら
プラスチック系のTR−90やアセテートがおすすめです。
ビジネスで使う、仕事の時にしっかりした印象を与えたいという人には
メタル系のチタンやアルミニウムがおすすめです。
また、両素材とも値段の安いものから高いモノまで豊富に揃っています。
基本、値段が安いというものは店頭在庫品として大量に生産されるスケールメリットによりコストが抑えられています。
これらは、ほとんど0.5単位で度数が決まっていますので、今の自分に適した度数を店頭で確認して購入することになります。
値段が高くなるのは、素材そのものもそうですが、専門のショップや眼科などで今の老眼の進行具合を正確に計測し、自分にぴったりあった度数調整されたオーダー品となりますので、その分価格は高くなります。
また、フレームも素材の加工やデザインが値段に反映しますし、ブランドというのも値段に大きく影響します。
総じて今回、軽い老眼鏡を選ぶときのおすすめは・・・
メインに使うものはしっかりと度数調整したオーダー品で、
かけていて苦にならないような軽くて丈夫なものを選ぶのがおすすめです。
それ以外は、比較的安価なもので、フレームやカラーバリエーションを楽しむといった使い方が良いのではないでしょうか。
あと、財団法人 日本眼鏡普及光学器検査協会「合格」商品という表示があるものがあります。
財団法人 日本眼鏡普及光学器検査協会とは、世界でただひとつの眼鏡と普及光学器専門の第三者試験検査機関で、消費者が眼鏡類製品や普及光学器製品を選ぶ際に、品質面の不安を無くすため、国内流通品の試験・検査をおこなっている組織です。
この試験・検査に合格したものを選ぶと間違いないですね。