老眼を改善・回復させる最新の治療事情
一般的に老眼は老化現象のひとつなので、老眼を治療するこは不可能だと考えられてきました。
しかしながら、最近では老眼の症状を手術によって改善し、視力を回復・改善させる可能性があると言われており、実際にそういった老眼の治療法を行っている病院やクリニックなどが増えています。
このような視力に関係する治療としてポピュラーになっているのが、近視を外科的手術で改善・回復させる「レーシック手術」です。
この視力回復レーシック手術とは、レーザーを使用して近視・乱視・遠視を矯正する視力回復手術で、プロのスポーツ選手や有名人などがこのレーシック手術を受けて視力を回復させたという情報もひろく伝わり、実際に治療を受ける人が増加しています。
では老眼でのレーシック手術はどうなのでしょうか?
老眼の矯正レーシック手術は、一般的な近視向けのレーシック手術とは違い、老眼の改善、回復を対象とし、レーシック技術を手法とした手術が行われます。
具体的には以下のような治療方法があります。
■CK(Conductive Keratoplastyの略)老眼治療法
ラジオ波を照射して角膜の屈折率を強くし遠視を矯正します。遠視を矯正することにより近方視力を向上させ老眼も治療することになります。
CKの特長としては、
- レーシックなどのレーザーを使用した手術などと異なり角膜中央部には触れず、メスも一切使用しないためリスクが極めて少ない安全な手術。
- 点眼麻酔のみで、術中の痛みもほとんどない。
- 手術時間は5〜10分位
- 再手術が容易である
- 白内障術後や他の屈折手術後の遠視に対してもおこなえる
- 米国FDA認可の唯一の老眼治療法である
CK手術はレストランでのメニューを読んだり、車中でのスイッチやナビを見たりするのにいちいち老眼鏡をかけることを避けたい時などに向いており、長時間の読書などでは老眼鏡を必要とします。
また、効果も次第に弱くなっていきますので、老眼の進行によって再手術が必要となります。
ただし、再手術は容易に行えます。
■遠近両用眼内レンズによる治療法
老眼の症状を回復させる手術として、遠近両用眼内レンズを目に入れる手術です。
その名のとおり、老眼治療にも対応した「遠くも近くも見える」治療法です。
この手術の場合は、人工的に作った遠近両用眼内レンズを硬くなり柔軟性のなくなってしまった水晶体と取り替える手術になります。
この手術は白内障の手術にも使われていますので、老眼だけではなく、
白内障でお悩みの方にもおすすめの手術です。
■老視矯正レーシック
エキシマレーザーを使用して角膜の形状を遠近両用のコンタクトレンズのような形状に矯正します。
具体的には、角膜の中心部は遠方に合わせ、角膜の周辺部は近方に合うようエキシマレーザーで切除する角膜の量を微妙に調節しているのです。
個人差はありますが、視力が安定するまで、しばらく時間(1ヶ月以上)がかかります。
ただし、現在のレーシック技術では、老眼を根本的に矯正することはできません。
レーシックは、近視や遠視等による光の屈折異常から起こる視力低下には、一定の効果が期待できるものです。
そのため、目の老化現象のように屈折異常とは関係のない水晶体の硬化を原因とした調節異常による〝老眼〟の根本的な治療にはならず、一時的な改善・回復を目的としたものと考えた方が良さそうです。
■モノビジョン・レーシック
レーザーを使用して片眼で遠くを、もう片方の眼で近くを見る状態に矯正します。
この手術により、遠近両用眼鏡の状態を作りだすので老眼鏡や遠近両用眼鏡がなくても、日常生活が送れるようになります。
ただし、片目ごとに役割分担をさせることになるため、目が疲れやすくなったり、
対象物を立体的にとらえる力が低下してしまう等のデメリットも考えられます。
いずれにしても、治療を行う場合は信頼できる医療機関で詳しい説明を受ける必要があります。